第3章 キミに会いに。
「下宿の件も蘭ちゃんが一生懸命説得してくれたんだし、
えーと、園子ちゃんて呼んでもいいかな?」
「もちろんです!!」
きゃー、幸せと連呼してくれてるのでまぁ、誘って正解だったかな?
「せっかくみんなで来たんだし、遠慮はなしってことで。
オレのことも呼び捨てでいいよ?」
ぶんぶんと音がするくらい首をふる、痛い。髪の毛あたってるから。痛い。
「じゃあせめてもうちょっと親しみこめて呼んでよ、なんかすっごい年とった気分になるから。ちなみにお兄ちゃんでも可。」
「いえ!そんな・・」
「じゃあじゃあ!夢夜くんでいい?
いいなぁ〜、蘭ばっかりずるーい。蘭のとこ泊まりにいってもいい?」
ね?ね?と目がキラキラしてるけど、キミの彼氏は襲撃の貴公子じゃなかったっけ?
誤解されると大惨事しかおきないんだけど。
「いいよ。くんづけで。お泊まりは・・ちゃんとお家の人にオッケーもらってね?
なんかSPみたいな人もいないみたいだし、むしろそっちが心配デスよおにーさんは。」
「そんなの必要ないない。せっかくのガールズトークを邪魔されたくないじゃない?蘭も一緒なんだから、心配なしなし!」
満面の笑顔で全力否定されちゃったよ。
このお嬢様の安心感は友人によるものなんだろう。
守ってくれるなんて、そんな意味じゃないくらい素の自分でいられる空間。
・・・・・。
「そのガールズにオレとか混じってるけど。」
その瞬間、二人の頭上に『あ!!』という書き文字が見えた気がした。
恐るべし、ケーキバイキング空間。
「蘭ちゃんは空手やってるんだよね?
優勝したのなんの大会?」
さすがに空気を変えたほうがいいか。
知ってるけど聞いておく。