第3章 キミに会いに。
「はあーぁ。このメンバーで食事ができるなんて!!園子、し・あ・わ・せ。」
「もう。食事ってケーキバイキングでしょ!」
「あはは。悪いね、気の利いた招待ができなくてさ。」
とある大財閥のお嬢様はオレと一緒に小さなホテルのケーキバイキングに来ている。
・・・なぜなら交換条件がオレに会いたい、なんてささやかすぎるリクエストだったから。
ご夫人の方は今度のパーティーで自分のために歌ってほしい、が条件で自分が理事をかねている、なんと帝丹高校をロケ現場として提供してくれるらしい。
園子嬢といえば、なんか裏口入学とか誤解されそうだったし蘭に言ったつもりでいてた〜ごめーん。だそうだ。
破格の待遇にもほどがあるんじゃないだろうか?
まぁ、さっきから嬉しそうにケーキをほうばっているので追求はしない。
せっかくだしコナン君もこない?と一応誘ってみたけれど
この空間はさすがに断われた。
見渡すかぎり、女の子・女の子・女の子。
同じテーブルには蘭ちゃんに園子嬢にオレ、という異色のメンバー。
「あの、ほんとによかったんですか?お忙しいのに連れてきてもらっちゃって・・あたしまで・・。」
いえいえ。
「大丈夫だよ、とにかく脚本ができるまでやることは全部できてたから。
今のオレはオフ状態だし、こっちこそ付き合わせるカタチになったわけだから
常連なんだよ、ここのケーキバイキング。」
「よかった、そうなんですか・・って常連!?」
「うん。月に1、2回はくるかも。
おすすめはシュトーレンかな。一年中置いてくれるんだよ。気に入った?」
「あ、はい。」
「はい!!」
なぜ園子嬢まで返事をしたかは謎だが気に入ってくれたらしいってことにするか。