第11章 想いは傷口を生む
「あー!俺も思いました‼」
声をあげるのは龍くん。
こくん、こくんと頷く残りの二人。
何がいい感じなのだろうか…?
たぶん、同じ事を烏養さんも思っているようだ。
二人で顔を見合わせて、
少し首を横に捻って、
「「何が?/何がだよ!」」
と、目の前の4人に向き直った。
「ほらっ‼ピッタリじゃないっすか」
「コーチ、女子大生の彼女GETですか。うらやましいっす」
「お似合いっすよ」
こっちの気も知らないで、わちゃわちゃとはしゃぐ、龍くんと西谷くん。
明るい笑い声が頭に響いて、
ズキンズキンと胸が痛む。
君とお似合いになれるなんて思ってない。
でも…君だけには言われたくない。
他の人と『お似合い』だなんて…。