第9章 友人の勘違い
「お前、バイトとかしてねーの?」
『おすわり』という地元馴染みの居酒屋で、烏養さんから絶賛説教中の私。
冴子が後から来る予定。
早く来て。頼む。
「してますよ。大学近くでやってます。個別塾で」
「マジかよ。塾かよ。頭いいくせにバカなのか?男見る目無いのか?」
反論の余地は無いけれどちょっとはオブラートに包んで欲しい。
それに、烏養さん。
自分だって、素行のよさそうな身なりはして無いですが…。
「ちょっと、いろいろあって…。半分ヤケだったんですよ」
目の前のグラス(今日はウーロン茶です‼)に目を落とすと向かいの人は私の顔を覗き込んだ。
「この前の5歳差ってやつか?」
言われた言葉にため息が漏れる。