第2章 はじまりは電話から
大学生も三年目。
日射しの暑い昼休み。
大学の食堂で、思わず顔が綻んだ。
着信を知らせるケータイのディスプレイには田中冴子の文字。
「久しぶり…」
たまらず呟くと、「誰?出ないの?」と目の前に座る友人が問いかける。
「高校の時の友達から。ちょっと出てくるね」
そう断って、席を立った。
冴子とは烏野の同級生だ。
性格や見た目は正反対と言っても過言ではない彼女。
入学当初は彼女の様なタイプと関わる事なんてないと思っていた。
けど…ちょっと柄の悪い先輩に絡まれていたのを助けてもらったのをきっかけに仲良くなった。
さばさばした姉御肌の冴子が私は大好きだ。