第5章 プレー中の君は別人
なぜ?と聞かれても答えられない。
自分にだって分からない。
別に年下が好みってわけでもない。
恋に落ちるのに理由なんて要らない的な事が、ベタな恋愛漫画には書いてあるだろうが、
まさか、
それが、
自分に当てはまるなんて思わなかった。
これ以上ここに居ちゃダメだ。
本当にダメだ。
したを向いて、小さく首をふる。
その様子が変だったんだろう…
「どうかしましたか?」
と武田先生に聞かれた。
「いえ、大丈夫です。お邪魔しました」
そう、頭を下げてその場を離れた。
「えっ?おい!」と烏養さんに呼び止めれたけど、気にせず体育館を後にした。