第1章 番外編 第一話「気になるあの娘の異性はどちら?」
そして、そんな情景を付近で見ていたものが三人。
由良四郎、疾風、蜉蝣だった。
この三人がここに居るわけは、若い衆の五人が不可思議な行動をしていた為こちらも暇を持て余してたので付いてきた。と、いうわけだ。
皆同じような頭の構造になっているのだろう。
「……なあ、なにやってるんだろうなアイツ等は?」
「まあ、どうせロクなことじゃねぇでしょうけどね」
「急にコソコソ麻言をつけ始めたから、何かあんのかと思ったけど、わけ解かんねえな」
声をひそめて蜉蝣、由良四郎、疾風が口々にそう言ったが、
追いかける五人に動きがあったのを蜉蝣が確認するとしっと合図を出し、三人は岩陰に身を縮める。
「――何してるの?」
追跡されていた張本人が、岩陰で話していた五人を見つけ声を掛けたのだ。
いきなりの出来事に五人が一斉に『うおおおおおおおおぉ!?』と叫んだ。
それに、ビクつきつつ麻言は
「ご、ごめん脅かして。皆でなにしてるのかなぁって」
弁解するようにそう言うと「わ、悪いっ。こっちこそ驚かしたよなっ!」とあたふた重が叫ぶ。
「お、俺等ちょっと麻言に聞きたいことがあってよ。それでっそのっ」
「ああ、そうだったんだ~。聞きたいことってなあに?」
白羽の矢を刺された白南風丸は先程反論してたものの、たどたどしくも謙虚に質問しようとした。
しかし、麻言がそう促すと顔をこれでもかと言うぐらいに赤くして脳が沸点に達してしまい言葉が出なくなった。