第9章 太宰 治 「4年ぶり」
「何故、今になって織田作に逢いに来た。」
「サクノスケに視せれる面がやっとできてねェ。」
と女は云うと二人は足並みを揃え歩く
「視せれる面ねぇ…あの時の事まだ気にしているのかい?」
「あの時、私がサクノスケの所に行っていればサクノスケは死なずにすんだって事だろう?…今でも後悔してるさ。」
「私の異能なら織田作を助けられたってあの時はずっと云ってたね。」
というのも女の異能は能力者の中でも珍しい治癒異能力者
触れるだけでその人物の躯を癒す
「だけど、後悔してもサクノスケは帰ってこないって気付いた…だから私の異能を使える所に行きたい。私しか救えない人がこの世の中には沢山いる。って自分に云い聞かせたんだよ。そしたら少しでもあの時の事が報われると思ってねェ。」
「へぇ〜それでポートマフィアを辞めたのね。」
あぁと女が返事をすると二人は人気の無い裏路地へ足を踏み入れた
「でも、よくポートマフィアが君を手放したね。」
「首領にも中也にも止められたさ。けど、私は決めた事は実行する女だ。」
と云いながら壁にもたれかける
「で?仕事場所はまだ見つからないのかい?」
と云うと男は女を壁に押し付け顔を近づける