第23章 優艶の夢を見た日
どこかの異国の木で出来たお城は三原色をベースに屋根が彩られていた。
装飾されている花や生き物は見たことのない物が多く、幻想的で妖しい世界がそこにはあった。
圧巻するような建物を見上げると、手足についている枷を引かれた。
「こっちだ、行くぞ。」
「す、すみません!」
急いでその人の歩幅に合わせて歩く。
石畳の階段を下りて、ようやっと入り口に着く。
中に入るとまたまた木造のきらびやかな装飾。
華やかな扉を開き、そこで待つように言われた。
どんどんと目まぐるしく変わっていく生活に、はあっとため息をつく。
ジャラジャラと音のする鎖は重く、今後の生活にますますの不安を抱かせる。
磨かれたフローリングに自分の姿が写る。
キャミソール1枚でぼろぼろの髪、やつれた顔…。
「知ってる人には会いたくないなぁ…。
いないだろうけど…。」
少し前までは毎日ジェイドさんが髪を整えてくれて、お洋服も選んでくれて…、凄く、幸せだった…。
あの方がいるだけで世界が眩しかった。
人生の絶好調を経験してからこうなっているんだから悔いはない。と、思う。
「仕事だ、ほら、いってこい。」
「きゃっ!」
ぐっと鎖を引かれ、私は半ば引き摺られるように移動した。
「その子、今日からの新入りだよ。アレ忘れんなよ。」
「早く言えよ!これ飲め!」
「や、こわっ……うぅっ……けほっけほっ!」
いきなり髪を掴まれたかと思うと、口の中にドロリとした液体を流された。
飲みきれず、噎せながら口の端から垂れていくのを感じる。
「…んんっ、なんですか、これ……!!」
少し前に感じた懐かしくも思い出したくないこの疼き。