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互換性パラノイア【TOA】【裏】

第15章 8日目の焦燥


星が浮かんだ暗闇の空、鬱蒼と茂る森をひたすら駆けた。
漸く見つけたボロボロの山小屋をゆっくり、慎重に入ると、土埃にまみれ、拘束された大切な人を見つけた。
膝を折り、脈と呼吸を確かめる。
体温を感じると、安堵のため息が大きく出た。
「…よかっ、た……。」
ぎゅっと抱き締め、拘束を解くと、すーすーと寝息を立てている彼女を連れ去った。
鼻の奥がツンとすると、年甲斐もなく、涙が流れそうになる。
ぐっとこらえると、次はこんなことになった原因の相手を、まさしくギタギタにしたくなる。
「明日……見てて下さいね…?」
吐き捨てるようにボロ小屋に呟く。

夜明け近くにも関わらず、部下達や陛下が城門で拍手で迎えてくれた。
城内でルルさんを外出させてしまったメイドが申し訳ないと謝罪してきた。
今後このようなことがないように、と伝達を行き渡らせるように言う。
そのメイドはただの切っ掛けにすぎない。
真に狙う悪党はこの手で潰すと頑なに決心していた。
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