第2章 2日目
ジェイドさんもお風呂から上がる頃、夕食がリビング(というにはあまりに豪華なんだけれども)にセッティングされていた。
豪華な王室のフルコースだった。
「あの、本当によろしいんですか?」
「気にしないで食べてください。それともお気に召しませんか?」
「とんでもありません!いただきます…。」
と言ってもこんな豪華な食事、したことない。
どうしたらいいのかと考えていると、
「ああ、食器は外側からですよ。」
と一声かけていただいた。
「これからもしかしたら私と一緒に城で食事をすることもあると思いますので、しばらくはテーブルマナーも兼ねて、こちらで本格的な食事にしましょう。」
「王様と、ということですか?」
「そうですね。陛下は私の親友でもありますから。」
そんなにすごい人だったんだ……唖然としながら優雅に食事を終えていくジェイドさんから、私は目を離せずにいた。
早く新しい環境を見つけなくては、私はここでの生活に慣れてしまいそうで、じんわりとした怖さを感じた。
ジェイドさんは、好きなだけいたらいいと言ってくれるけど、明日死んでも誰も困らない人を置いておいても、いずれ困らせてしまうだろう。
彼の生活に、なるべく関わらないように、いなくなっても困らないようにしなくてはいけないと、余計に焦ってしまった。