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互換性パラノイア【TOA】【裏】

第2章 2日目


どうやら私は3日ほど昏睡状態だったらしく、ジェイドさんも助けることを諦めかけたのだとか。
それでも起きた次の日にはスタスタと歩けるほど元気になれた。
服は1着だけ新しいのを用意してくださり、今日はそれを着てお出掛けすることになった。
「まずは服を買いましょう。それから、下着も。」
「!」
真っ赤になりながら、私は頷くことしか出来なかった。
あとは小さなチェストとドレッサー、少しのハンガーなど、可愛らしい花の細工が施された繊細なデザインで統一されたものを用意してくれた。
「高価な物ばかりですみません…。」
「構いませんよ。経費で落とせますし、幸い、収入には困っていませんので。」
「どういうお仕事を?」
「ざっくり言うと軍人です。」
すごい方なんだなぁ……とぼんやり思いながら、お忙しい中、私のために1週間もお休みを取って準備をしてくださるなんて、
本当に紳士的で素敵な方だなと、歩調を合わせて下さってる様子を窺いながら思った。
ジェイドさんのお部屋に荷物を抱えて戻った。
お部屋と言っても、お城にある一室を借りきってるようで、昨日仰っていた「一人暮らし」という単語には当てはまらないイメージだった。
今朝も思ったけれど、あまりにも豪華なお部屋だったからだ。
「チェスト等は明日の朝届くそうですから、荷物は一旦こちらにまとめて置いておきますね。」
「ありがとうございます。」
「今日はたくさん歩いて疲れたと思いますので、先に湯殿でゆっくりしてください。」
「すみません、お先に頂きますね。」
一人で使われているお部屋と伺ったのだけれど、それにしても大きなバスルームもついていた。
誰かが沸かしてくれたのだろう、薔薇の花が浮かんだお風呂が用意されていた。
「使用人いるなら、私、やっぱりいらないんじゃないかな?」
ゆったりと浸かりながらそう思った。
でもきっと、私にしか出来ないこともあるはず。
そういうところから、ゆっくり恩返ししていきたいな。
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