第61章 【番外編】犬2
耳元に聞こえる甘いテノールが響く。
それだけで背中にぞわぞわと電流が走る。
「…あっ!」
側にある紅い瞳がきらきらしてて吸い込まれそう。
「寂しいんですか?」
「は、はいっ…」
「よしよし。」
背中を子供のように撫でられる。
それが気持ちよくて、私ははしたない声をまたあげてしまう。
「ひぁっ、ああっ…」
「最近積極的ですね、嬉しいですよ…」
「ふあっ、あ、はっ…」
触られるだけで身体が蕩けそう。
下からどろりと熱が伝っていくのがわかる。
深い深いキスをされると、もうどうしようもない快感で、私はいつもより必死に舌を絡めた。
「ふ……ぁっ……んんっ!」
あっという間にひくひくと身体が達してしまう。
さらさらと動く髪がとても色気があるように思えて、胸を締め付けられる思いで見つめる。
「こんな簡単にイってしまっては、保ちませんよ?」
「はぁっ、もう、それでもいい……で、…っ!
も、もう、こわして…っ、さわ、…てぇっ!」
ぎゅっと首に腕を回して密着する。
このまま一つになれないのがツラいとすら思う。
もう下着もタイツも使い物にならないほど濡れてしまっている。
私はもう、切れてしまった理性の糸を手繰り寄せる余裕なんてなかった。