• テキストサイズ

互換性パラノイア【TOA】【裏】

第58章 【番外編】その距離は


「カーティス大佐…!ご注文頂いてたものが丁度今……」
「それはよかった。」
ジェイドさんはアクセサリーを見て、金具を私の頭に合う形に変えられるか相談をし始めた。
「その娘に付けるんですか?」
「ええ。」
「大佐、お子さんいらしたのですか?」
(お子さん……!!?)
私はそんなに幼く見えてしまうのだろうか…。
「ルルさんは私の恋人ですよ。
可愛らしいでしょう。」
ジェイドさんはいつもの笑顔を絶やさないでさらっと言ってのけた。
「へ…?あ、ああ、これは、失礼しました…?」
(絶対に冗談だと思ってる…!!)
花をあしらった宝石が並べられた髪飾りは、とても高級そうで、そして可愛かった。
頭に合わせてもらい、髪質なども考えて、漸く完成したものを受け取った。
「可愛い恋人さんに。はい、どうぞ。」
「あ、ありがとうございます!」
おまけで大きな林檎飴を貰い、私は嬉しくて笑顔で受け取った。
「ははは、やっぱり、大佐の隠し子でしょ?」
と店員さんは笑っている。
ジェイドさんは私の顎を持ち上げて、突然キスしてきた。
「っ!?」
舌が差し込まれ、くちゅくちゅと音が鳴る。
人前で、恥ずかしいのに…、と私は顔を反らそうとしたが手で固定されてそれも叶わない。
「ん、んぅ…っ!」
漸く離されて、ふつりと銀の糸が切れる。
「は、ぁ…」
「ほら、恋人ですよ。」
と悪戯な笑顔を呆然としている店員さんに向けた。

「ひ、ひどいっ!」
「酷いのは彼ですよ。ルルさんを傷付けて。」
あ、怒ってくれてるんだ…という嬉しさと、恥ずかしさからくる怒りと、複雑な気持ちでいた。
「こんなに色気があって可愛い女性は、他にはいませんよ。」
「も、もういいですっ!」
このまま行くと、本当に心臓が破裂してしまう。
私は繋がれていた手をほどいて、先に歩きだした。
/ 344ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp