第55章 【番外編】変態の彼女
自分より一回り以上も若い娘にこんなことをさせて、視覚的にも手に伝わるぬるぬるとした生暖かい感触も、マズイ。
ぐっと堪えるのも虚しく、あっという間にまた小さな手の上に出されていく。
「…はぁ……。そんなのもヤらされてんのかよ…。」
そう言われて彼女は一瞬で赤くなる。
そこで漸く、今まで手取り足取り教わったり慣らされたりしてるところを俺が簡単に想像出来るようになったことに気付いた。
「ぁ、ち、ちがいます……これは、その、あの……。」
「いいぞ、誤魔化さなくて……。」
連続的に出されて気だるさもやっとの思いでやってきた。
やってしまった、という顔をしながら彼女は、潤んだ瞳で俺を見上げる。
(もう、マジで今はそういうの止めてくれ…。)
「楽になりました?」
「…や、無理そう…。」
彼女の顔をもう直視出来ない…。
もう、なんつーか、
(アイツに散々変態だの犯罪者だの言ってきたけど、人のこと言えねえええ!!)
効能がまだ抜けないのかまた天を向いてしまう自身が少し情けなくなりつつある。
「あ、あとは、自分でなんとかするから…。」
「え!?でも、痛いんですよね…?
もう少し腫れが治まるまでは…」
だから何を教えてるんだよアイツは……!!
殴りたい。蹴り飛ばしたい……。
色んな感情が渦巻くなか、小さな女の柔らかな手のひらに今の俺では対抗出来ない。
「や、でも、そろそろ帰ってくるだろう?
さすがに……。」
「酷いですねぇ。お二人とも。」
最悪だ……。
「ジェイドさん…っ!」
「私を抜きでお楽しみですかぁ?」
「…はぁ…。お前が前作った薬でこんなんなったんだ……。」
「妹の次は恋人ですかぁ?イイ度胸してますねぇ、へーいーかー。」
何も言うまい……。
もう見つかってはどうにもならん。
あとはこの変態に従うまでだ。
そう覚悟を決めた。