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互換性パラノイア【TOA】【裏】

第55章 【番外編】変態の彼女


「なんだこれ?」
「棚の下に転がっていて、聞いてから捨てようかと思いましたので…。」
「アイツが前試しに作ってたグミの液状化したやつだったか。
疲れてたし飲んでみるか。」
「ジェイドさん、面白い実験をたくさんしてたんですねぇ。」
「変態だからな。普通じゃしないだろう。
これもいちいち違うグミを食べるのが面倒かなんかで、いっぺんに色んな効能が取れるやつが欲しいって無理矢理作ってたやつだったか。」
瓶の底を見ると、アイツのさらっとした綺麗な字で、
「愛しの陛下へ(ハート)」
と書かれていた。
いつの時代もキモいなと思いながらしてあった栓を抜いて一気に飲み干した。
全身がなんとなくポカポカと温まってくる。
疲れからか冷えていたのだろうか。
「あー、これは確かに、戦闘中なんかは飲みたくなるかもなー。
試作品にしてはなかなか…」
と言い掛けたところで、身体が妙に脈を打っているのがわかる。
強い酒を一気に飲んだような、それでいて、少し痛みの走る……。
効果はあるのか、汗が少しずつ出てきそうな程に熱い。
しかし、下腹部にまで熱が集中していくのにいよいよおかしいと思い始める。
「…っ、…」
「だ、大丈夫ですか!?」
いきなり踞る俺を見て彼女が不安そうにする。
「だ、誰か……」
ハッと、彼女の細い手首を掴む。
「な……ピオニー様…?」
「誰も…呼ばなくていい。大丈夫だ……。」
あまりにも白い肌と自分の肉感と色の対比に、視覚からくらくらとさせる物を感じ、唯一残っていた切れそうな糸が、あっさり切れる音がした。
「少しでいい、付き合ってくれないか。」
有無を言わせない声色で尋ねると、少し考えてから彼女は頷いた。
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