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互換性パラノイア【TOA】【裏】

第55章 【番外編】変態の彼女


何が何でそうなったか、時系列をまとめて話さなくてはならない。
それは現段階でそうなってしまった俺も激しく混乱しているからだ。
背筋にゾクゾクと走る背徳感は、とてもではないが抗えない。
はぁ、と一つまた熱い吐息が漏れる。

遡ること数時間前、俺は部屋でいつも通り過ごしていた。
「お疲れ様です。一旦お掃除しますがよろしいですか?」
幼馴染みの彼女はメイドとして仕えている。
大体の雑用をこなしてくれるし、何より、若くて可愛い。
少々ドジなのを除いてはかなり働き者でいい娘だ。
「悪い、宜しくな。凄い散らかしてる。」
「大丈夫ですよ。」
にっこりと笑ってひらひらと膝丈のスカートを揺らしながら彼女は部屋の片付けを始めた。
ブウサギたちは今頃原っぱで散歩をしている頃だろう。
「こちらは捨てて良い物ですか?」
「大丈夫だ。」
物を一つ一つ分別して、わからないものは聞いてくれる。
親友の恋人とは言え、非常によく出来ていて、正直羨ましくないなんてことは段々となかなってきた。
(ガキ相手に何考えてんだ。)
少し時間がかかるということだったので、俺は一旦外して待つことにした。
ふらふらと出歩くのは久し振りだ。
年の終わりも近付いてきて、することが山のように増えてきた。
毎年この時期はとにかく忙しい。
かといって、何をしているのかも覚えていない。
そんなこんなで毎年無駄に過ごしているようにしか思えない。
窓を開けるとすっかり空気が冷えているように思えた。
あとは戻ってあれとあれを片付けよう、なんて構想を練りながら部屋に戻る。
開けると、自室とは思えないほど磨かれ、整理整頓された部屋になっていた。
「おお、これは凄いな。礼を言う。」
とは言え、いつも散らかし放題だし、慣れない。
そわそわした気持ちでふとテーブルを見ると、見たことがないような瓶があった。
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