第54章 最近幼馴染みが結婚を匂わせてくる
ふわふわひらひらの服を着せられ、ルルは鏡の前でバランスを見ていた。
「あの、スカート、短くないですか…?」
屈むと見えそうな長さのそれは確かに少し短めに感じる。
「…や、それはそれで有りなんじゃないか?」
すらっと見える白い脚に、なんとなくそんなことを答えてしまう。
「ちょっと、陛下。私のルルさんをそんな目で見ないで下さい。
いやらしい。穢らわしい。」
「お前ほどじゃねえ。」
一通り着せかえられ、片付けられたところで使用人が荷物が届いたと部屋にやってきた。
大きな箱からは、純白のドレスが出てきた。
「おいおいおい……気が早くないか?」
「そうですか?成人の儀を終えてすぐにでもと私は思っているんですが…。
本音を言えばすぐにでもしたいほどですね。」
「ああ、そう…。」
大層な値が張りそうなそれを慎重に包みから出し、裾や飾りをまじまじと変態は眺める。
「ルルさん、こちらも着てみましょう。」
「え!?」
渡された物を見て一瞬で顔を赤くする少女は可愛く思えた。
「は、早くないですか?」
「早くありません。」
にこにこしながら寝室から出て待つ。
本当になんでこんなやつがいいのか、彼女にも疑問が尽きない。
キモくないのだろうか?
ずっと年上のおっさんが迫ってきて嫌な思いはしないのだろうか?
恋は盲目とは言うが、そんなものなのだろうか。
眉間に皺を寄せて考えていると、
「失礼なこと考えていませんか?」
とアイツがにこにこしながら聞いてきた。
「まあな。」
「失礼しちゃいますねぇ。」
「まだ未来がある可愛い子をこんなおっさんが食ってていいのかと思ってしまった。」
「私達は、相思相愛ですからね?」
うるせーよ。変態。