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互換性パラノイア【TOA】【裏】

第48章 追憶


「ルルは雷、苦手なのか?」
「は、はい…すみません…。
いつから苦手なのかあまり記憶にないのですが、前住んでいた所でも、仕事にならないと追い返された程で…。」
「そりゃ可哀想になぁ。
何がダメなんだ?落ちそうなところか?」
「いえ、私の場合、あのぴかってするのと、あとドーンという大きな音です。」
ピオニー様はくすくすと笑って、まあ大人になればなんとかなる、と慰めてくれた。
(私、まだ大人じゃないんだ……。)
ピオニー様は本を一通り他にやると、また新しいのを持ってきて一通り目を通していた。
「ルルは、ケテルブルクの知事に会ったんだよな?」
「あ、はい。ジェイドさんの妹さんだったんですね。知らなかったので驚きました。」
「またアイツは大事な話はしないで勝手にやったのか…。」
あきれた声が聞こえる。
「とても綺麗な人で、なんとなくジェイドさんに似てました。」
と笑ったらピオニー様はとても低音で、
「似てない、断じて。」
と言った。
それがなんとなく意外で、面白くて、笑わずにはいられなかった。
「……あの時、初めて会ったんだよな?」
急に真剣に聞かれた。
「…?多分、そうです。」
「悪いな、変なこと聞いて。」
「…いいえ。」
なんとなく、今の一言でピオニー様が今調べていることが気になった。
「ピオニー様は、何を調べているんですか?」
ピオニー様は一瞬私の目を見て口を開こうとしたが、少し考えてから漸く、
「ルルの記憶、なんか手掛かりになるものはないかなって。
王立図書館なら、新聞記事もあるし……」
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