第48章 追憶
ピオニー様はハッとして、自分の言葉に何かを思ったようだった。
「悪い、そこにいてくれ。」
本の山をそのままに、急いで出ていった。
今置いてある本は、何かわからない。
何冊かはジェイドさんのお部屋でも見たことのある物だった。
ジェイドさんは昔、研究者だったと聞いた。
その時に書いた本なのかなと思った。
雷がまた鳴る。
雷とジェイドさんと本、何かがぐるぐると回って繋がりそうで繋がらない。
ぼーっとその光景を眺めていると、使用人たちと一緒に大量の新聞を抱えて戻ってきた。
「手分けしよう。」
と何百冊ずつかわからないそれを分けて、ルーペを使って皆で眺めている。
なんとなく、それが分かってしまうのが怖くて、私はお部屋から出た。
私とジェイドさん、昔、会ってるんだ……。
多分、何かあったのだと思う。
それはぼんやりしてる中でも薄紫色のような気味の悪い色で光っている。
急に怖くなった。
もしかして、あってはならないことを挟んで会っているのではないだろうか?