第46章 旅行3日目
「ジェイドさん、これ、なんですか?」
「これもお菓子の1つです。甘くて少しほろ苦い大人向けの物ですね。
ルルさんには少し早いかもしれませんよ。」
からかいまじりにそう言うと、案の定彼女はむきになった。
「…食べてみたいですっ!」
「後で皆さんにもお配りしますのでお皿に乗せましょう。」
花柄の菓子皿に盛りつけて、一粒をルルさんの口に私の手から食べさせる。
「…!美味しい……。」
「ルルさんも大人の仲間入りですねぇ。」
よしよしと頭を撫でると、少しむっとしたり笑顔になったりを繰り返す。
お気に召されたのか二粒目を自ら食べる。
手招きすると近くに寄り、軽い身体を持ち上げ、向かい合うように膝に乗せる。
「美味しいですか?」
「……おいしいです…。」
恥ずかしそうに顔を背けようとするのを手で止める。
「私にも、お一つ頂けますか?」
「どうぞ……」
「ルルさんのお口から欲しいのですが。」
「っ!!」
寂しそうに、ダメですか?と聞くと、彼女は眉間に皺を寄せながら一粒唇に挟む。
目をぎゅっと瞑り、私に顔を寄せる。
その一連の仕草はどんどんと嗜虐心を煽られていく。
お菓子ごと彼女の唇を貪る。
ルルさんはハッと一度驚く反応を示した。
息をつめて私の舌の動きに合わせてくれる。
情欲のため息が漏れると、彼女も苦しそうに息をくぐもった声に乗せて出した。
「ん……っ」
互いの舌の上で溶けていくお菓子が小さくなったところで口を離した。
「…っはぁ…!」
「美味しいですよ。」
真っ赤になってはあはあと呼吸を整え、私の胸元に寄りかかる小さな身体を抱き締める。
「…私ばっかり、欲しいみたいで、恥ずかしいです…。」