第46章 旅行3日目
私達の初めての旅行は、たくさんの幸せとお土産を持ち帰って終わった。
ルルさんの記憶は何も戻らなかった。
念のための報告を全て終えて、城の使用人や軍部に土産物を配った。
「大差がお土産を下さるなんてどうしたんですか!?」
と驚かれた。
「ルルさんに買いなさいと叱られまして。」
くすくす笑いながら答えると、皆私に礼をさっと言ってルルさんの方に頭を下げてお礼を言っていた。
薄情なやつらだと思った。
「陛下にはこちらです。」
と陛下に手紙を渡すと、吃驚したような照れたような少し嬉しそうな反応をなさった。
「手紙なんですか?」
とルルさんが不思議そうに覗いていた。
「陛下にとっては一番のお土産かと思いまして。」
「なんだか素敵ですね…。」
と綺麗な微笑みを浮かべて納得していた。
なんとなくそれが色っぽくて、不意に頬にキスした。
ルルさんは驚いて赤くなった。
日に日に増す艶やかさは、出逢って時ですら目を離せなかったのに、ますますそうさせる。
揺れる睫毛やすぐに赤くなる肌、そして情事での仕草。
私の心臓を鷲掴んで離さない。
それどころか、爪を立てて中にまで入りそうだ。
私も彼女にとって、そんな存在でありたいと思う。
それは欲張りなのだろうか。