第43章 ジェイドさんと旅行2日目
手を繋がれて、荷物を持っていただいて少し歩くと、大きな都市が見えた。
素朴で可愛らしい町だった。
「せっかくですから、知事に会いましょう。」
「お知り合いなんですか?」
「一応。」
ジェイドさんはやっぱり凄い方なんだなぁと感心した。
冬物の厚い生地のコートを着こなしてもとても素敵で、黒いシンプルな帽子は、ブロンドの髪に引き立っててとても綺麗だった。
いつもより雰囲気が違うジェイドさんを見れるのは、個人的にとても嬉しかった。
いつもおしゃれな方だと思っていたけれど、特に拘りはないと仰っていて、きっとどんな物もお似合いだからこそなんだろうなと思った。
知事さんのおうちを開くと、綺麗な女性がいた。
「兄さん!?」
「知事、ご無沙汰しております。」
「………お兄さん…?」
私はぽかんとした顔で聞いてしまった。
ジェイドさんはとても笑顔に自分を指さしていた。
「……お知り合いどころではないではないですか!!」
「ルルさんの反応がどうしても見たくて、すみません。」
知事さんと少しお話させていただいた。
確かにどことなく、似ているかもしれない…。
「将来貴女の義姉になるルルさんです。」
「義姉?」
「あ、あの、えっと、ルルと申します…。」
「…ちゃんと同意の上でですよね?
下手したら犯罪ですよ?」
キッと彼女はジェイドさんを睨む。
「勿論ですよ。また改めてきちんと挨拶に伺います。」
そう言うと、挨拶もそこそこにジェイドさんは行きましょう、と声を掛けてきた。
「あ、もうよろしいんですか?」
「ええ。今回はうさぎさんフードを被ったルルさんがメインイベントですから。
さあ、広場に急いで行きましょう。」
ジェイドさんは嬉々として私を連れ出そうとした。
「あ、すみません!お邪魔しました!」
「やっぱり犯罪じゃないんでしょうね!?」
最後若干怒っていらっしゃるような気がしたけど、きっとそんな言葉すら耳に入っていないだろう。