第43章 ジェイドさんと旅行2日目
「うぅ……頭ほわほわする……腰痛い……。」
「激しかったですよぉ。」
「や、やめてくださいっ!」
お酒を少し飲んだ後から私は全く記憶になく、一部始終をジェイドさんから聞かされて、信じられなくて恥ずかしくて蹲ってしまった。
「本当にごめんなさい……。」
「謝ることではありませんよ。
いやらしいルルさんもとても綺麗でしたよ。」
もう、これ以上、何も聞きたくなかった。
船がもうすぐ港に着くというアナウンスが朝食の合間に流れた。
この船は往復で乗れるものだそうで、1泊ケテルブルクに泊まって、明日はまたこの船に乗って帰るとのこと。
「帰りの時は違うアクティビティに行きましょう。」
と楽しみになることを言ってくれた。
「お酒はもう飲みませんから…。」
「ええ、人前では死んでも飲ませませんから。」
笑顔でさらっと返された。
頬が痛くなるような冷たい空気が流れる。
港に着くとすごく綺麗な白い世界が広がっていた。
「わああ!!」
「これが雪ですよ。」
「ゆき!!」
していた手袋を外して早速触る。
「わぁ!冷たいんですね!!
もっとふわふわしてるのかと思ってました!」
「あちらにあるのはもう少しふわふわしていると思いますよ。」
誰も触っていなさそうなところを掬うと、確かにふわふわしている。
「気持ちいい…!」
あちこちにある山を踏んでは、キシキシと立つ音を楽しんだりした。
「ルルさん、そろそろ町に移動しましょう。」
「あ、はいっ!」
ジェイドさんに向かう。
私の両手を持って眺める。
「真っ赤になってしまいましたね。」
「つい、楽しくて。」
「後でゆっくりあたためて差し上げますから。」
なんだかそれが、少し色っぽく聞こえて、私は一瞬にして頬が熱くなった。
「おや?普通のことを言ったまでですが。」
「そ、そうですよね!」
「ルルさんがお望みでしたら今からホテルの……」
「まひっ町が見たいです!!」
思わず噛みながら答えた。