第42章 旅行1日目
客室に漸く戻り、土産物を鞄に詰め、ルルさんはぬいぐるみをベッド脇に置いた。
潮風に当たって冷えた身体を入浴で温め、丁度のタイミングでルームサービスのお酒が届いた。
ルルさんが、
「それ、美味しいですか?」
と尋ねてきた。
「飲みやすいですね。香りも豊かで。
ルルさんも少しだけ飲まれますか?」
未成年に何を聞いているのか、冗談半分だったが、酔った彼女も少し見たかった。
「じゃあ、ちょっとだけ…。
ピオニー様には、内緒ですよ?」
「お約束しましょう。」
グラスに半分だけ入れ、香りをかいでから彼女はその半分近くを飲む。
「あ。」
「…?」
「すみません、そんな一気に行くとは思わなくて。」
「??」
「少し強めでしたから。
でもルルさんはお酒に強いかもしれませんね?
なんともない……」
残りも3口程で飲みこんだ。
少しわくわくとしてくる。