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互換性パラノイア【TOA】【裏】

第36章 61日目


「あ、えと、…ありがとう、ございます…。」
それにしてもまだ釈然としないことがある。
ピオニー様なら知っているかもしれない。
「1つだけ、お聞きしたいのです。
どうか真実を教えて下さい。
ジェイドさん、私以外に、恋人というか、付き合っている方はいますか?」
「…はぁ?」
「えと、私が昨日泣いてしまったのはそれも、あるんですけど……。」
「ぜっっっったいにないと思うけど、ルルは、何があってそんなこと思ってるんだ??」
本当に知らないようだ、私は確信が持てて恐る恐る切り出した。
「この前、噴水の広場でジェイドさんと待ち合わせしたんです。
凄く綺麗な女性といらして、その、キス、したように見えたんです。」
「はぁあ!!?」
ピオニー様は、驚いたような怒ったような声を上げて、ガタッとソファから立ち上がった。
あまりの音に私は一瞬驚いてしまう。
「どんな会話してたかとか、聞けなかったか!?」
「噴水がちょうど吹き上ってて、全然…」
「どんな女だった!!?」
「薄い紫色の上品なドレスで!凄く綺麗なお顔で……胸が!すごいんです!!」
「あ、うん…。」
私はピオニー様に何を力説しているんだと思い、急に恥ずかしくなって、すみませんと言いながら椅子に座った。
「こっちも恥ずかしくなるからやめろ…。」
ピオニー様もソファに腰掛け直して、二人で何分か落ち着こうと沈黙した。
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