第33章 59日目の不快
何杯か飲んだところで、手頃なお嬢様が一人。
「こんばんは、素敵な一夜ですね。」
笑い掛けるとお嬢様が驚いたようにこちらを見る。
「宜しければ、一緒に、この素敵な一時を過ごして下さいませんか?」
赤面したその人は、こくこくと頷いた。
バルコニーへ連れ出し、世間話をする。
「カーティス大佐は、先日御結婚をなさったとお伺いしたのですが、違うのですか…?」
不安そうに、扇子を口許にあてて彼女は聞いた。
「結婚は残念ながらまだですね。結婚してから貴女のような綺麗な人にお会いしてしまっては、勿体無いですからね。」
「…まぁ…。」
「このまま、誰も見ていないうちに消えましょう。貴女と是非もう少し話がしたい。」
相手も可哀想だがそれ以上に浮かぶルルさんの姿。
一刻も早く終わらせたくて、さっさと適当なお部屋を借りる。
「こ、こんなところで?」
「刺激的でいいでしょう?」
こんな、なんの感情もない情事は、ない方が良い。
そう思いながら、柔らかな女体を抱き寄せる。