第32章 59日目
「あぁぁぁ……。」
欲しかった物を受け入れて身体が満ちていくのがわかる。
首に顔を埋めると、いつもの香りじゃない。
それが怖くて急に身体が強張る。
「…っ急に、きつくなりましたねぇ。」
「あ、ごめんなさ、……いつもの、ジェイドさんじゃないみたいで……はぁっ…。」
「香り、ねぇ…?」
ジェイドさんは急に何かを思い付くと、懐に入れていたハンカチを結んで私の視界を遮った。
「やぁっ!見えない…っ!」
匂いだけだと本当に知らない人に抱かれているようで、ますます身体が強張る。
中にある形はジェイドさんなのに。
「やぁ、ん……っ!!こ、こわい、怖いよぉっ!!あっあっあああ!!」
こりこりと中を擦られ、私は2度目の波を迎えた。
「…っ!」
強張りながらソレを締め付けた。
ジェイドさんは腰を打つのを止めないで、敏感になった身体があっという間に反応する。
「いやぁぁぁっ!!」
「…いいですよ、ルルさん…。」
急に耳元で囁かれて、私の身体は弾けたように驚く。
見えないせいか、余計に中も外も敏感になる。
はっきりとわかる形、ジェイドさんの指先と、呼吸。
爪先にまで力が入って、私は与えられる快感を身体から逃がそうとする。
「ん、あっ、あっあああ…っ!!」
また身体が震えると、ジェイドさんが中に吐き出していくのがわかる。
私の身体を巡りそうな程の勢いで放たれたそれを受け止めながら、ハンカチ越しにちゃんと愛しい人がいるか確認のキスをした。