第30章 58日目
早く行かないと街中で恥ずかしい目に合わされる為、私は大急ぎで最後の仕事を終えると、着替えて少しだけメイクを整えて、走って城下町に向かった。
着くとジェイドさんは既にいらして、私に気付くこともなく隣の女性と話していた。
女の私から見ても、とても上品で綺麗な人だった。
そして……くっきりと浮かぶ谷間!
(わぁ!すごい!)
貧相な自分のそれと思わず見比べてしまう。
そんなことより、まずいのではないか?
例え恋人に昇格していても、あそこまで美しい方と一緒にいたら、私の立場はいつ転落してもおかしくない!
(転落する以前の問題かもしれないけれど……。)
きっと大切なお話をされているに違いない、私は踵を返して少し時間を潰すことにした。
近くのお花屋さんまで行き、ピオニー様のお部屋の花が変えられていないことをふと思い出し、どれにしようかと見てみる。
何分後かに私はとあることを思い出す。
(しまった!早く行かないと罰があるんだ!)
きっともう女性もいないだろう。
そう思い、戻ってみる。