第28章 57日目
「でも、ここだと、誰かが……」
「見せ付けてやればいいですよ。」
頬にまたひとつ、触れるだけのキスをされる。
「いやです…。」
また肩が揺れる。
自分では耐えているつもりでいても、触られることを心のどこかが拒絶している。
夜の時も、私は前みたいになかなかジェイドさんを受け入れられずにいた。
身体は疼くのに、怖くて、震えながらそれを受け入れて、泣きながら耐えた。
ジェイドさんは勿論理解してくれて、少しずつでも毎日して慣れるしかないですね、と言われて、不安で息をつく。
痛みを感じることはなくても、知らないそれが入ってきたら、知らない触れられ方をもしされたら、と思うと、肌がなかなか受け入れられないでいた。
それほど、あそこの記憶は、私にとって忘れたいものだった。
「ルルさんは、また告白をされたと聞きましたよ。」
「え?なんで知って……」
「貴女のことなら、なんでも。」
服を脱がされながらジェイドさんは淡々と言った。
「最近色気が増したと、周りも皆言ってますよ。陛下ですら。」
「や、やだ……そんなこと……」
「…最初から、可愛かったのに。皆後から気付いて…。」
下着越しにちゅっと胸の中心を吸われる。
「ひゃんっ!」
思わず変な声が出る。
コルセットのリボンをゆっくりとほどかれ、身体が浮いたと思うと執務室の机に座らされた。
ジェイドさんが椅子に座ると、目線が同じくらいになり、そのまま頭を胸元に押し付けられる。
吐息だけで感じる。
「ふぁあっ!」
口を手で覆い、溢れてくる声を隠そうとする。