第27章 最近幼馴染みに彼女が出来た
「城から一人で出すなぁ!?」
「そうです。心配じゃないですか。」
「幼児じゃねえんだから。」
「あんな天然なのですよ?もし知らない人に付いていってあんなことやそんなことされたら、陛下はどう責任を取るおつもりですか?」
冒頭でも言ったことを繰り返す。
俺の親友は、キモいしウザい。
「お前なぁ…連れ帰ってきただけで、相当キモいんだぞ。それで城に軟禁て、国民になんて思われるんだよ…。」
「なんとでも構いません。彼女がキズモノになって帰ってくるのに比べたら大したことありませんよぉ。」
猫なで声で後半笑いながらそう言う。
今まで適当な女に呼ばれれば付いていき、適当に捨てていたのに対して、この過保護っぷりであった。
予想外この上ない。
「よくわからないのですが、彼女に関してだけは、こう守ってあげたくなると言うか…何してても不安になるというか、一時も離れないでコッソリ監察していたくなるというか……こんな気持ち、実験用の動物にすら抱いたことありません。」
不思議そうに首をかしげている。
かわいくねえよ。キモいよおっさん。
「それ、いわゆる、一目惚れってやつだぞ。」
「そんな幻想的な物ではありませんよ。きっと科学的根拠があるはずです。」
真顔で全否定してくる。
「ちげえって。なんつーか、その本能というか直感というか…。」
「陛下は……そんなロマンチストだったんですか…?」
「意外そうに聞いてくるな……。」
もういい、下がれ。と言うと、ムカつくくらい綺麗な敬礼をして出ていきやがった。
あんなおっさんにもなって、可哀想にちゃんとした恋愛もしたことなくて、モルモットと同類のように女性を見て……。
「俺が悲しくなってきたわ…。」
ため息をつく。