第24章 再会した日
手枷を付けられ、また次の部屋を案内される。
また嫌な時間が始まる。
男の人の顔も見れない。殴られる。
諦めてちらっとだけ見て、顔を背けた。
「こらっ!ちゃんと挨拶しろっ!!」
背中を木の棒で叩かれる。
「きゃっ!」
涙が込み上げるけど、悔しいとか悲しいとかなくて、ただ痛いのと気持ち悪いのとで、生理的な涙しか出てこない。
こちらに手が伸びてくるのが怖い。
カタカタと震えながら慎重に進めていく。
早くお薬とお香が効いてこないかと誰にお願いするでもなく、ひたすら頭のなかで唱える。
(…も、もう、やだ……!)
ぎゅっと抱かれてもびくびくと肩を揺らすことしか出来ない。
(気持ち悪い…こわいっ!)
目を瞑り、ひたすら早く終わらないかと祈った。
毎日、私はこんな日常を送っていた。
いつしか慣れるかと思ったけれど、まるで物のように扱われるここに、いつまでも慣れることが出来なかった。