第24章 再会した日
恐らく数日経った頃、ドタドタと大きな係りの人が何人か私のいるお部屋に来た。
「お、お前にでかい仕事が入ったぞ…!!」
「絶対しくるんじゃねえ!」
私は手枷から延びる鎖をぐいぐいと引っ張られながら、特に高級らしいと聞いたお部屋に案内された。
「そのままでいいとは言われたけど、コイツそのままだと使い物になんねーぞ!?」
「オプション追加なしで薬入れとけ。」
「勝手にやったら怒られんだろう…?」
「大金が入るんだ……少しくらい問題ないだろう。」
二人はごにょごにょと大声を小さくして話し合いをする。
「あの……どんな方なんですか?」
「貴族だよ貴族!!お前なんかを買いたいっつってんだぞ!?」
「はぁ……」
首をかしげる。
どんな凄い人か訳がわからないけれど、もう早く終わらせたい…。
そうとしか思えなかった。
けれど、そこには凄く意外な方がいた。
「やはり、ルルだったか。」
「え!?ピオニー様っ!?」
一瞬意識がはっきりする。
「お知り合いでしたか?」
「まあな…。もういい、後はこっちでやる。」
「ははっ」
襖が閉まり、部屋が静まり返った。
「ルル……可哀想に。手錠を外してやるから来い。」
「ひゃっ!」
手首をぐっと触られると、それだけで悲鳴が上がる。
私に上着を軽く羽織らせて、座らせてくれた。
「何があってこんなとこにいんだよ…?」
「あっ……前の御主人様に、よばれ、て……。お部屋にいっ、たら、変な人達に後ろからっ……。」
はーはーと呼吸しながら少しずつ私は話した。
「うん、落ち着け。」
「そ、それで……箱に閉じ込められてて……っ」
恥ずかしくてツラい思い出が一気に込み上げて、私はその場に泣き崩れた。
「毎日、っ…なんか、いろいろされて…っ」
「ここに来た数日前に、見世物小屋にお前がいたのに驚いた。」
ピオニー様はそう言うと私の手を握ってくれた。
「もう大丈夫だからな。」
「っ…はい……!」
手から優しい温もりが伝わって安心する。
「もう、アイツも着くし。」
「え?」
ばっと外が見えると、懐かしくて恋しかったブロンドが輝いていた。