第7章 大喧嘩
おまけ
昔も流星と俺が喧嘩した時、
が作ったホットケーキで仲直りしたなぁ
泣きべそかく俺と、
激怒して顔も怖いし口も開かん流星。
そんな俺らを見るに見かねたが
『お腹減ってるから喧嘩になるんだよ
私がホットケーキ作るから仲直りしようよ』
なんて今思えばアホみたいな発想やけど、
それで仲直りした俺らもアホやったんやろな。
「流星、ごめんな。
俺、ずっと流星と比べられる事が凄い嫌で
劣等感とか持ってて。どうしても自信に
繋げられへんくて、苛立ってた。ごめん」
まさか今回もあの
"ホットケーキ"
で仲直りするやなんて
思ってもみなかったけど。
流「俺も、しょうもないとか言うてごめん
神ちゃんの気持ち考えてなかった」
「俺のこと嫌いなったやろ。鬱陶しいって」
流「そんなん、俺の台詞やん」
流星は昔から無口な部分があって、
だから人と話すのも少し苦手
主語を抜かして話すから伝わらへん。
そのせいで上手く噛み合わなくなって
喧嘩になってしまう
でも流星は何が原因なのか、
はっきり分からんくて
結局、悪循環。
頭の中では伝えたいこと100%分かってて
出てくる言葉はその半分以下ぐらいのこと
俺との喧嘩も、客観的に見たら
明らかに分かるであろう事の発端も
流星からしたら
「いきなりなに怒っとるん?」ってなる
せやから俺がもう少し冷静になって
流星に言わんとあかんのかもなあ…
「晩ご飯作らんとなぁ」
流「なあ、神ちゃん」
「ん?」
流「起こすん、俺のやから」
眠ぅ〜、と
その一言だけ言って2階に上がる流星。
俺かてとそれ以上になりたいって
お兄とか、オカンみたいとかじゃなくて
もっとこう、"それ以上"。
モヤモヤしたこの気持ちを、
まだ流星に言ったって
絶対"伝わらへん"から言ったらへんわ