第4章 喧嘩
望「確かに、アイツは冷たいし口悪いし?
俺が話しかけても時々シカトしてくるし。
ああ言えばこう言うから喧嘩にすぐなるし
時々、すっごい腹立つことやってある
一緒に暮らしてんねん。当たり前やろ?」
でもな、
望「は周りをよく見とる。
自分の悪口言われてんのに俺らに気遣って
迷惑とか思って距離置こうとかする。
何だかんだで俺の事気にしてくれとる。
そういうとこ、ずっと見てきてんねん
今さら、嫌いとかそんな感情ないねん俺ら」
ごめんな、痛かったよな、って
望は女の子の制服を離す。
望「やからさ。アイツの悪口とかデマとか
もうやめてやってくれへん?
ほんま思いたくないけどお前らのこと、
嫌いになりそうやねん、おれ〜」
『…ごめんなさい…』
望「おんっ。」
女の子たちが立ち去ったあと、
くるりと私の方を見た望が
にこっと、笑うと走りよってきた。
まさに、どだだだだだっ、て感じの音。
望「!!
ごめん!俺、ぜんっぜん気づかへんで!!」
ごめんごめん、って
同じ言葉を繰り返しながら
ぎゅぅぅうって抱きしめてくる。