第14章 ファンクラブ
『だからお願い!』
目の前で手を合わせお願いやから、と
女の先輩に懇願される。
そんなに私にお願いされても…
「私が決めてる事ではないので、
直接彼らにお願いした方がよろしいかと…」
『話してくれへんねん』
望はともかくとして、
流星は興味無いことには無関心だし、
智くんは基本的に下心ある女子とは話さない
その結果がこれという事か。
「で、でも私がお願いしても…」
『お願い!!』
「そうは言われても…、
遊びのお誘いは本人が決めることですし…」
先輩はどうやら女の子のグループの1人で、
流星、智くん、望の3人と
お休みの日に遊ぼうと誘いたいらしい。
私が3人に伝えたところで、
軽くあしらわれ流されて
その話が自然消滅するのがオチに決まってるし
休みの日にまで女の子に絡まれるのは
智くん嫌いだって言ってたしなぁ…
困ったなあ…
これ以上断ってたらキレられそうだしな
ダメ元で誘ってみようかな?
望「あ!おったー何してんの?」
そこに偶然(?)望がやって来た。
先輩は嬉しそうにニコニコ笑い、
それにちょっと苦笑いの望
「あ、あのね」
『望くん達が暇なお休みの日!
私達と遊ばへん?』
望「私達って…、と先輩?」
『あ、や、他の子』
望「うーん、ならええわ。忙しいし」
それよりさ、と
ぐるりと私の方に向き直る。
こいつ、わざとなのか確信犯なのか?
先輩を怒らせるスペシャリストだな
「もう少し考えてあげなよ。
せっかく誘ってもらったんだしさ」
望「俺が仮にOKやとしても神ちゃん達は
絶対にええよなんて頷くわけないやろ?」
まあ、それはそうだけど…
望「が居るならまた別やけど
知らんグループにが入ってても
気まずいだけやし、断った方が早いやん?」
お誘いを断る理由が、
私中心な話だと知った先輩は
少しだけ表情を歪める。