第8章 小さな主【鶴丸国永】
【燭台切】
『主と風呂に行ってくる』
僕にそう告げた鶴さん。
「きゃぁ!!」
「主っ!」
本丸中に響く二人の声。
「鶴さん…それ」
「光坊…何も聞かないでくれ」
お風呂から上がった鶴さんの頬には真っ赤な手形。
「主、戻ったんですね!」
「長谷部、私何かあったの?気づいたら鶴丸とお風呂入ってたんだけど」
長い1日はようやくいつもの日常を取り戻した。
「主、何が食べたい?」
「うーん、鶴丸は何がいい?」
「俺か?俺はだな…主かな?」
そして鶴さんの両頬には真っ赤な紅葉がなっていた。