第3章 大好きな人【加州清光】
今日の本丸も通常運転。
内番をする者。
休暇を満喫する者。
遠征に行く者…様々だった。
本丸が出来て最初は私と一人の付喪神(刀剣男子)だけだったここも今では賑やかになっていた。
でも、初めての付喪神は今ここには居ない。
どこに居るのかも、どうしているのかも分からない。
無事でいて欲しい
毎日そう願うも、まだ姿は見えない。
「主よ、遠征先でこれを拾った」
遠征先から戻ってきた三日月から渡された物。
ダイヤの形をしたイヤリング。
「これっ!」
私は三日月の顔を見た。
「見つけたのはこれだけだ…すまんな主」
「ありがとう…三日月」
三日月が部屋から出て行き一人になるとじっと手の中にあるイヤリングを見つめた。
「うっ…きよ…みつっ…」
早くアナタに会いたい。
アナタに触れたい。
早く帰ってきて…清光。