第13章 ライバル【土方十四郎】
さっきまで興味津々だった皆の顔が、
険しくなっていた。
夏希「多分…"ある人"のうなじには、まだ傷痕があるはずなんです。だから、その傷痕を探しているんです。」
近藤「お前さんも、相当辛い思いをしてきたんだな。」
と頭を撫でてくれた
気が付けば、
私は大粒の涙を流していた。
皆は、私を慰めてくれた。
だが、土方だけが、焦った様な表情で
うなじを押さえていた。
私は、まさか、と思って、
土方に聞きかけた。
夏希「土方……まさかあなた……」
と言った瞬間、
屯所内にサイレンが鳴り響いた。
山崎「沿岸付近で攘夷浪士達が争っています。皆さん出陣の用意を!」
私も含めた全員の表情が変わった。
近藤「行くぞ!すまんな夏希、この話はまた…」
夏希「分かってます、大丈夫です!」
と言って沿岸付近に向かって走った。
案の定、そこにはたくさんの攘夷浪士がいた。
残念な事に桂は居なかった。
だが、そんなの気にしている場合では無かった。
私は、攘夷浪士に斬りかかった。
何十人もの攘夷浪士をしょっぴいた後、 私は少し油断をしてしまった。
そして私は気付かなかった。
あのときのように、私の後ろにいた敵に
突如、私の背中に衝撃が走った。