第13章 ライバル【土方十四郎】
そのまま、稽古場で仲良く話していたりすると、
私に話が持ってこられた。
近藤「それにしても夏希!なんでお前さんは警察に入ったんだ?」
土方「お、そりゃあ聞きてぇな。」
沖田「へぇ…気になりますねぃ」
と皆私の話を聞きたがっていた。
私は深呼吸をした後 いきさつを話始めた。
近藤「ほぉ…その"ある人"を追っかけて来たのか…。」
近藤さんはうんうんと頷いてくれた。
すると、
意外な人物が口を開いた。
土方「じゃあ聞くが、お前は警察になって何がしてぇんだ?」
空気が重くなった。 皆の視線は全て私に注がれている。
理由は、すごく言いたくない。
なぜなら…。
夏希「私は小さい頃、"ある人"に怪我をさせてしまったから。」
と言っても、
"ある人"が私を庇って出来た傷。
近藤「……どう言うことだ…?」
これ以上言いたくないが、話す事以外に伝える手段が無いため、
話す事を決意した。
夏希「ある時、私はいつものように"ある人"と遊んでいました。ですが、私達の村に盗賊が来たと分かり、私と"ある人"は一目散に盗賊が居る方に走りました。
そこでは、
もう争いが始まっていました。
私と"ある人"は、
手に持っていた木刀で応戦しました。
……ですが、私の不注意で、
後ろにいた敵に気付かず、
斬られそうになりました。
ですが、いくらうずくまっていても、
痛みなんてありませんでした。
何故なら、
"ある人"が私を庇って自分が怪我をしたんです。
うなじの所に酷い傷が出来ていました。
私は、
意識が薄れかかっている"ある人"に何度も何度も「ごめんなさい」と言いました
すると、"ある人"は私の頬を撫でて、
「お前が大丈夫なら俺は大丈夫だ。」
といってくれました
だから、私は、恩返しをするために警察になったんです」