第5章 相合い傘【阿伏兎】
ーーーーやられた。
後ろからの攻撃を
防御しようとした。 だが、
体が追い付けず、
追い付いたのは傘。そして見事にー。
阿伏兎さんからもらった大切な傘が
真っ二つに壊れた。
私は、耐えられなかった。
大切な傘だったのに 大好きな阿伏兎さんがくれた傘なのに… 手入れだって欠かさずやっていた。
……それなのに…。
自分が情けなかった 。
気づくと私は暴走していた。
怒りに身を乗せ、
暴れまくっていた。
?「夏希!!!」
聞き慣れた大好きな声で我に返る。
周りを見渡すと、
そこには跡形もない私の傘らしきものと 血だまりだけがあった。
傘を見て思い出した。
夏希「…っ…阿伏兎さんっ…」
阿「!?」
私は泣いていた。