第20章 《裏》遊女ちゃんの初恋【土方十四郎】
銀時「モジャモジャって何だよ。俺には、銀時って言う名前がちゃんとあんだせぇ?ひでぇな。」
月詠「知らんな。あ、銀時。こやつは夏希じゃ。遊女の中でも上玉の女じゃ。」
月詠に紹介されたので、一応挨拶をしておく。
夏希「どうも。夏希です。」
ペコリとお辞儀をすると、
銀時と言う男は、
ニヤリと笑った。
銀時「へぇぇ~。こりゃなかなかな女だねぇ。」
と下心ありありの目で見られる。
夏希「ありがとうございます。」
少しだけ微笑んでお礼を伝える。
銀時「どうだいねぇちゃん、俺と一発……」
と言われた瞬間、
後ろから猛スピードで灰皿が飛んできた。
銀時「ぐぷぇらぁ!」
と銀時の顔面に灰皿がクリーンヒットした。
後ろをおそるおそる向くと、
十四郎さんがこちらへ来た。
銀時「ってぇ~なぁ!なにすんだ!」
十四郎「あぁ、わりぃわりぃ。手が滑った。」
と軽く謝った。
そのあと、チラッと私を見て、
口パクで何かを言われた。
多分きっと、
『外へ来い』
だと思う。
その言葉を信じて私は廊下に出た。