第20章 《裏》遊女ちゃんの初恋【土方十四郎】
私は、宴会の為に料理などを月詠や日輪さんと作った。
私は、いつも髪を上げているが、
今日は下ろして宴会に参加する事にした
十四郎さんと一夜を過ごした時の様に…
月詠「夏希、今日は一段と柔らかい顔をしているな。」
夏希「ふふ、そう?まぁ、相手が気になってしまうからかしらね。」
フッと煙管の煙を吐く。
月詠「わっちも、宴会には参加せねばならぬ。」
夏希「……そう。」
私は少しだけ心配になった。
何故なら、
月詠は酒を飲むと暴走するから。
夏希「月詠、酒に飲まれないようにね」
と忠告だけしてその場を去った。
外には、月が出てきている。
周りは、将軍を迎えに上がる遊女が並んでいた。
私はまた中に戻り、畳の上にそっと座った。
緩く座り、煙管を吸っていると、
外がざわざわしてきた。
月詠「夏希」
夏希「あら、月詠。どうかした?」
月詠「新選組の奴らが来たようじゃ。」
夏希「そうなの。分かったわ、今行く」と立ち上がり、
玄関へと向かう。