第1章 想いよ、届け(及川徹)
なおも続く沈黙を、
破ったのは岩ちゃんだった。
『なぁ、唯は?
裏方だし、大体背も同じくらいだろ』
……俺と、俺たちのことを
詳しく知っている数人が一斉に息を呑む。
俺がそっと唯の方を見ると、
彼女は黙って俯いていた。
(確かに言われてみると、
唯が一番適任な気がする。
俺も一緒にやりたいと思うけど
嫌々はやらせられない)
『どうだよ唯。やってくれねぇか』
さらに追い打ちをかける岩ちゃん。
彼女の様子にいたたまれなくなって、
口を出そうと声を上げた。
「他のコでもいいよ、誰かいない?」
そのとき。