第1章 想いよ、届け(及川徹)
「……というわけで、急遽代役を
出さないといけなくなっちゃったんだよね。
他の役に入ってるコは無理だと思うから、
誰か手の空いてるコいないかな?」
俺が問うと、みんなは顔を見合わせた。
『及川くん、ほとんどみんな表か裏の役に
ついちゃってるし、主役ってなると
セリフも多いよ。』
『うん、今から覚えるのは厳しいんじゃ…』
出し物の発表は昼休みを挟んだ午後。
一時間ほどだが時間はある。
「裏方ならたぶんあのコが代われる。
衣装のサイズの関係もあるから、
誰か裏方であのコと同じくらいの背のコ。
やってくれない?」