第1章 想いよ、届け(及川徹)
やっぱり岩ちゃんは速い。
俺でも気を抜いたら負けてしまう位、
快足を飛ばしている。
グラウンド半周があっという間に過ぎて、
バトンは次の走者の女のコに。
もちろん順位はトップ。
岩ちゃんにバトンを渡された女のコに
かかっているであろうプレッシャー。
それを思いながら、
俺は岩ちゃんを迎えた。
「流石だね、岩ちゃん」
『おぉ、まぁ、後の事考えたら
もうちっと差つけたかったがな』
「大丈夫だよ、アンカーは
及川さんなんだから何人でも抜いてあげる」
『はいはい、頑張れ頑張れ』
たわいもない会話をしながら、
再びリレーの方を見やる。