第11章 探検×休息?×夢の中
二次試験合格を言い渡された私達は、そのまま流れるようにして飛行船に乗せられ、その中の一室に集められた。
「改めまして…受験者の皆さん、お疲れ様でした!」
こうして見てみると、どれだけ多くの受験者達が脱落してしまったかがわかる。
その中で、見知った人達が一人も欠けることなくこの場に居られるのって、なかなかにすごいことなんじゃないだろうか。
そんなことを思いながら、私達の前に立ってこれからについて話始めたメンチさんを見つめる。
「ここにいる43名が二次試験の合格者です。次の目的地には、明朝8時に到着する予定です」
一見真剣に話を聞いているように見えるかもしれないけど、今の私は全然そんなことはない。
さすがに疲れが溜まっているのか、私の体は至る所で悲鳴を上げていた。
汗や砂なんかで体中気持ちが悪くてしょうがないし、何よりお腹が空いて死にそうだ。
隠す程の事でもないので言ってしまうと、私は普通の女の子よりも食べる。
なんでも食べる、もりもり食べる。つまり食い意地が張っている。
そんな私が今日口にしたものと言えば、チョコレート一粒と、試験で食べたニギリズシもどきとカルパッチョ、クモワシの卵と食べ比べ用の市販の卵だけ。
いくらクモワシの卵が大きかったとは言え、私の胃袋はそんなものでは満たされない。
(それにしても、クモワシの卵、すっっごくおいしかったなぁ~…)
「心地良い緊張感じゃのぉ~……皆、良い面構えをしとるわぃ」
ネテロ会長が満足そうに呟いているのがぼんやりと耳に入って来るが、私の意識は自分のお腹のことでいっぱいだ。
(早くなんか食べたい…)
お腹が食べ物を欲しがってきゅっと縮まったのを感じて、左手で自分のお腹を撫でつける。
「まぁ…、例外もおるようじゃがの」
楽しそうに笑いながら言うネテロ会長の言葉にドキリとして肩が跳ねる。
恐る恐るネテロ会長に視線を向けると目が合ってにっこりと微笑まれた。
自分のことを言われたのだと恥ずかしさを覚えて、今度こそ話に集中しようと思った、その直後。
「わあぁぁっ、ネテロ様!!」
ネテロ会長の横に立っている、スーツを着た豆のような顔の人が自分の腕時計を見て叫んだ。
自然と部屋にいる人間の視線はその人物へと集まる。
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