第1章 「春」~出会い~
太陽「オレさ、ミュージシャンになるのが夢なんだ。」
弾き終えると太陽君は、自分の夢について語り始めた。
太陽「昔から病弱で、どこにも行けなくて、ずっと退屈だったんだよ。そんな時出会ったのが、音楽だった。音楽を聴いていると不思議と勇気がでたり、元気がもらえたりするんだ。」
ひま「へぇ~。んじゃ、太陽君にとって音楽はかけがえのないものなんだ。」
太陽「うん!だから、オレがミュージシャンになったら、たくさんの人に元気になってもらえるような歌を、届けていきたいんだ!」
自分の夢を語る太陽君は、とても決心が固かった。
私はそのまっすぐな夢を応援したいと、心からそう思った。
ひま「いいじゃん…!すっごく、素敵な夢!太陽君なら絶対なれるよ!私、応援する!」
太陽「本当に!?んじゃ、今から練習頑張らないとな!」
ひま「練習もいいけど、その前に退院しなきゃね。」
太陽「げっ、そうだった…。」
太陽君は自分の夢を夢中に話していたせいか、まるで入院していることも忘れているかのようだった。
でも、まっすぐに突き進んでいく太陽君の姿に、私はだんだん惹かれていった。