第1章 「春」~出会い~
ひま「はい、今日のプリント。」
私は昨日のこともあり、ふてくされた顔でプリントを渡した。
太陽「お前、まだ怒ってるの?」
太陽君は少し呆れたように聞いてきた。
ひま「当たり前じゃん!めっちゃ頭にきたんだから!」
太陽「昨日のことは謝るよ、ごめん。その代わりと言っちゃあアレだけど、良かったらギター聴くか?」
そう言うとケースから、ギターを取り出した。
ひま「え?いいの!?」
太陽「おぅ、昨日楽譜も届けてもらったし、そのお礼としてさ!」
またニッと笑って、弾く準備を始める。
ひま「ありがとう!!」
なぜだろう…?
太陽君のあの笑顔を見ると、心が落ち着くんだよな…。
太陽「まだまだ、練習中で下手くそだけど笑うなよ?」
ひま「うん!」
…♪~♪♪
やわらかいギターの音色が、病室いっぱいに広がる。
ギターを弾いている太陽君は、どこかしら大人びている。
「やっぱり、太陽君が弾くギター好きだな。」
改めてそう思った。