第1章 「春」~出会い~
次の日。
瑠璃「ねぇねぇ、昨日太陽君の病室に言ったんでしょ?どんな人だった?」
またまた寝坊したのか、まだ2時間目終わりなのに、弁当を広げている。
いわゆる速弁だ。
ひま「どうもこうも、ただの生意気な男の子だよ。私が気にしてる背のことで、バカにしてきたりしてさー。頭にきたから病室抜け出してきた!」
瑠璃「ひまは短気だな~、初対面なんだからさ、もっと広い心で接してあげなきゃ!きっと、太陽君も寂しかったんだよ。」
ひま「寂しかった…?何で?」
昨日見た太陽君は、とても病気には見えなくて、元気に見えた。
私は、瑠璃がなぜそう思うのか不思議に思った。
瑠璃「だって、太陽君はずっと入院しているんでしょ?同じクラスの子が来てくれて、嬉しかったんだよ。」
ひま「そーなのかな?」
瑠璃「そうだよ!だから、太陽君もこれから退屈せずにすむんじゃない?」
ひま「え?何で?」
瑠璃「だって、ひま、これから毎日会いに行くでしょ?」
ひま「い、行かないよ!あんな生意気なヤツのとこなんか…」
瑠璃「そんなこと言って、太陽君ってギター弾けるんでしょ?」
ひま「あれ?何でそのこと知ってるの?」
瑠璃「さっき、ひま夢中になって話してたじゃない。」
ひま「そ、そうだっけ…?」
昨日あったことを一気に瑠璃に話したから、自分で何を話したのか分からなくなっていた。
瑠璃「ひま、太陽君が弾くギターに惚れたんでしょ?毎日聴きに行ったらいいんじゃない?」
瑠璃は微笑みながら言った。
何か期待していそうな顔だった。
ひま「ま、まぁ、プリント置きに行くついでに、ギター聴きにでも行こうかな。」
そして今日も放課後に、太陽君のいる病室に向かった。